えみりのワーママブログ

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【読書記録】『スマホ脳』アンデシュ・ハンセン

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こんにちは。えみりです。

 

本屋さんで見つけた話題の本。

 

「スマホ脳」というなんとも衝撃的なタイトルに惹かれ、思わず購入してしまいました。

 

怖いもの見たさで読んでみたところ、改善すべき生活習慣や、スマホがもたらす子供への影響について学ぶことができ、かなり参考になりました。

 

こんな人におすすめ

  • ついついスマホを触ってしまう
  • ストレスが溜まっている
  • 集中力が続かない
  • よく眠れない
  • 子供へのスマホやタブレット教育の影響を知りたい

 

 

私たちがスマホに依存してしまう理由

わたし自身が朝起きてまず行うことは、スマホに手を伸ばすこと。

1日の最後に行うことは、スマホのアラームをセットし、枕元に置くこと。

 

本書によると、私たちは1日に2600回以上スマホを触り、平均10分に1回はスマホを手に取るんだとか。

 

更には、3人に1人が夜中も1回はスマホをチェックするという依存状態。

 

この”依存”には、「ドーパミン」という物質がカギとなっています。

 

脳は常に新しい情報や新しい環境・出来事などを欲しがり、スマホのページをめくるごとに脳がドーパミンを放出し、私たちはどんどん次のページを読みたくなるんです。

 

着信音が鳴るとスマホを手に取りたくなるのは、「大事な連絡かもしれない」と脳が期待し、ドーパミンの量が増えます。

 

その結果、「ちょっと見てみるだけ」とスマホを手に取り、気が付くと10分以上ダラダラとスマホを触っている・・・このような行為を頻繁にやってしまうのです。

 

わたしが個人的に衝撃だったのが以下の文章。

フェイスブックやインスタグラムは、親指マークやハートマークがつくのを保留することがある。そうやって、私たちの報酬系が最高潮に煽られる瞬間を待つのだ。

スマホ脳(新潮新書)

 

つまり、SNSの開発者は、行動科学や脳科学の専門家を雇って、人間の脳内の報酬システムを研究し、あえて脳への刺激を少しずつ分散させているんだそうです。私たちが思わずスマホを手に取りたくなるような瞬間を創造しているんですね。最大限の依存性を実現するために。。

 

言ってみれば、私たちの脳はハッキングされている状態・・!

 

ちなみに、フェイスブックの「いいね」機能を開発したローゼンスタイン氏は、自分の作ったものの魅力が度を過ぎていると認識し、SNSの使用を止めたり制限しているんだとか。

 

 また、iPhoneの開発に携わったアップル社のトニー・ファデル氏、更にはアップル社の創業者であるスティーブ・ジョブズ氏までもが、自分の子供の使用には慎重な考えであり、「iPadはそばに置くことすらしない」そう。私たちに与える影響を見抜いていたのでしょう。

 

スマホは私たちにどんな影響があるのか

①集中力の低下

現代のデジタルライフでは、私たちは複数のことを同時に(=マルチタスク)やろうとしてしまいます。例えば、映画を見ながら気づくとスマホに手を伸ばしてしまったり、勉強をしながらネットサーフィンをしてしまったり。

 

基本的に、私たちは一度にひとつのことしか集中できません。スマホをサイレントモードにしてポケットにしまっていても、スマホの存在があるだけで、気が散ってしまい、集中力が奪われます。

 

何かを深く学ぶためには、集中と熟考の両方が求められますが、スマホの画面を素早くスワイプしてウェブページを次から次へと移動することに慣れている現代人は、脳が情報を消化する時間がないのです。

 

②睡眠の質の低下

極端なスマホの使用が、ストレスと不安を引き起こします。

何よりも影響を受けるのが睡眠です。

 

睡眠は、脳内の記憶保存に重要な役割を果たしていると言われています。

 

眠りにつく時間を体に知らせる「メラトニン」という物質が、夜に最多となりますが、ブルーライトを浴びるとメラトニンの分泌を抑える効果があります。

 

つまり、寝る前にスマホを使うとブルーライトが脳を目覚めさせ、メラトニンの分泌が抑制され、体内時計が2~3時間巻き戻されてしまうんだそうです。

その影響でよく眠れなくなり、眠りの質が落ち、翌朝疲れているなんてことも。

できればスマホは寝室に持ち込まないことを、筆者は勧めています。

 

③孤独を感じたり心の病が増える

SNSを使うほど孤独に

SNSは人と繋がることができる便利な道具ですが、SNSをたくさん使うほど孤独を感じ、幸福感が減る傾向があるんだそうです。

 

皆がどれほど幸せかという情報を大量に浴びせかけられて、自分は損をしている、孤独な人間だと感じてしまうことだ。

スマホ脳(新潮新書)

 

今の子供や若者は、周りの友達だけでなく、インスタグラマーが完璧に修正してアップした写真も簡単に見られるので、「良い人生」の基準が手の届かない位置に設定されてしまいます。

 

そのようなインスタグラマーと自分を比較し、自分が最下層にいると感じてしまうのです。特に、思春期の女子への影響は大く、SNSで常に他人と比較することで、自分に自信がなくなってしまう傾向があります。

 

子供への影響は?

衝動に歯止めをかける働きをする「前頭葉」は、子供の頃は未発達。そのため、子供は特にスマホを手に取りたいという欲求が我慢できません。

 

タブレット学習は幼児に向かない

就学前の子供は、紙とペンで書くという運動能力が、文字を読む能力とも深く関わっています。パズル遊びでも、指の運動能力を鍛え、形や材質の感覚を身につけることができます。そういった効果は、タブレット端末では習得できないものです。

 

自分を抑制できなくなる

頻繁にスマホを使う人の方が衝動的になりやすく、報酬(ごほうび)を我慢するのが苦手になるというテスト結果が出ています。

 

報酬を先延ばしにできなければ、上達に時間がかかることを学べなくなります。

例えば、現代では楽器を習う生徒の数が激減していますが、

「今の子供は即座に手に入るご褒美に慣れているから、すぐに上達できないものは辞めてしまう。」という理由が多いんだとか。

 

大人も子供も、「スマホですぐに答えが見つかる」ということに慣れすぎているのかもしれませんね。 

 

運動が最善の対抗策

基本的にすべての知的能力が、運動によって機能を向上させるのだ。集中できるようになるし、記憶力が高まり、ストレスにも強くなる。

スマホ脳(新潮新書)

 

多くの人がストレスを受け、集中できず、デジタルの情報の洪水に溺れそうになっている今、運動が最善の対抗策なんだそうです。

 

たった5分身体を動かすだけで、集中力を要する難しいゲームが上手くなったというテスト結果が出ており、少しの運動でも集中力の改善につながることが証明されています。

 

それだけでなく、ストレスや不安への効果も高いのが運動のメリット。

散歩などの緩い運動もいいですが、心拍数の上がるランニングの方が効果がより顕著になり、運動直後だけでなく最大1週間後まで不安レベルが低い状態が続きます。

 

あらゆる種類の運動が知能によい効果を与えるという研究結果が出ており、

散歩、ヨガ、ランニング、筋トレなど、どれも効果があります。

更に、運動は知能的な処理速度の改善にもつながり、頭の回転が速くなるとも言われているそうです。

 

ここで問題なのが、現代人の運動量はどんどん減っているということ。

私たちの祖先は、毎日1万4000歩以上歩いていたと思われますが、今の私たちは1日たった5000歩にも満たないのです。

 その原因のひとつは、スマホやPCのスクリーンばかり見ているから。

 

 

 今後のスマホとの付き合い方 

スマホやパソコンに多くを任せるにつれ、人間の知能はどうなるのでしょうか。

 

自動化や人工知能の普及により、消えてしまう職業は多い。人間に残される仕事は、おそらく集中力を要するものだ。皮肉なことに、集中力はデジタル社会で最も必要とされるものなのに、そのデジタル社会によって奪われている。

スマホ脳(新潮新書)

 

集中力こそ人間に残される仕事なのに、デジタル社会によって集中力まで奪われる・・なんとも皮肉で恐ろしいです。

 

私たちが今日から実践できることは?

  • 寝る前2~3時間はスマホを見ずに、質のよい睡眠を確保する
  • 毎日少しでもいいので、意識的に身体をよく動かす
  • SNS以外にも社会的な関係を作る
  • スマホの使用を意識的に制限する

これらを実践して、心の不調を予防することが重要な解決策になりそうです。

 

まとめ

全体的に衝撃的で、普段ついついスマホを見てしまうわたし自身にグサッと刺さる内容でした。

 

また、子供への影響も詳しく書いてあったので、気になる方は是非読んでみてください。

 

巻末にはデジタル時代のアドバイスも細かく記載されているので、今日から実践できる具体的なアクションが分かります。

 

デジタル社会のいいところも享受しつつ、自分の身体や心の不調を予防するために、本書を有効活用してみたいと思いました。

 

どなたかの参考になれば嬉しいです。